婦人科 一般婦人科 Gynecology
一般婦人科 General Gynecology
月経トラブル
- 月経痛(月経困難症)
- 月経期間中に、月経に随伴して起こるさまざまな病的症状をいいます。(下腹痛・腰痛・腹部膨満か・嘔気・頭痛・疲労・脱力感・食欲不振・いらいら・下痢・憂鬱など)日常生活に支障をきたすほど、つらい症状がある場合には治療が必要です。
- 月経不順
- 正常の月経周期日数は、25~38日と定義されており、これに当てはまらないものが月経不順とされます。月経不順の場合、ホルモンバランスの崩れやストレスが原因のことも考えられるため、問診をした上で、血液検査でホルモンの異常がないかをチェックをしたり、超音波検査で子宮・卵巣の状態を確認します。
- 不正出血
- 不正出血とは ホルモンの異常や様々な病気により月経以外に性器から出血することです。排卵期に起こる中間期出血など病気ではないものもありますが、検査でしか分からないことが多くありますので、不正出血が見られた時点で、お早目に受診してください。
- 月経前症候群(PMS)
- 月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいいます。日本では70%ほどの女性が何らかの症状をもち、生活に困難を感じるほどの強い症状を示す割合は5.4%程度と言われ、治療の対象となります。
子宮・卵巣の疾患
- 子宮がん
- 子宮がんとは、子宮頸部にできる「子宮頸がん」と子宮体部にできる「子宮体がん」に分類されます。
- 子宮頸がん
患者年齢は20~30歳代の若い女性に急増しています。初期には全く症状がないことが多く、不正出血やおりものの増加、性交時出血などで気がついた時には、がんが進行しているということも少なくありません。子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因であることがわかっています。このウイルスは性的接触によって感染します。 - 子宮体がん
子宮体部から発生したがんで、子宮内膜由来の子宮内膜がんと、その他の部分が悪性化した子宮肉腫などがあります。
- 子宮頸がん
- 卵巣嚢腫
- 卵巣嚢腫とは、卵巣に発生する腫瘍の一種です。卵巣の腫瘍は、液体の入った袋のような病変が形成される”卵巣嚢腫”と、しこりのような病変を形成する”充実性腫瘍”に分けられます。卵巣嚢腫は、袋の中を満たす成分の違いによって”しょう液性嚢腫”、”粘液性嚢腫”、”皮様嚢腫”、”チョコレート嚢腫”などさまざまな種類に分けられます。
- 子宮内膜症
- 子宮内膜症とは、子宮の内側にある膜が子宮の内側以外の場所にできてしまう病気です。子宮の内側以外の場所にできてしまった内膜も、本来の子宮内膜と同じように、生理と同じサイクルで女性ホルモンの影響をうけ、増殖や出血を繰り返します。子宮以外で増殖した内膜や血液は体外に排出されません。そのため、毎月生理のたびに炎症を起こし、周囲の組織と癒着して慢性的な腹痛を引き起こしたり、不妊症の原因になったりすることも少なくありません。
- 子宮筋腫
- 子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍で、5人に1人の女性にあるといわれています。 原因ははっきりとわかっていません。大豆くらいの小さなものからスイカくらいの大きいもの、数も1個から10個以上とさまざまです。場所によっては自覚症状のない方も多いです。閉経により改善することから症状がないかぎり治療の必要はありません。ただ、着床障害や流産の原因となる場合があるので将来妊娠を希望している方は定期的に受診しましょう。
- 子宮腺筋症
- 子宮腺筋症とは、子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉の中にできる病気です。
子宮のほとんどは子宮筋層と呼ばれる筋肉でできていて、その内側は子宮内膜という粘膜組織で覆われ、子宮内膜は受精卵を育むベッドとしての役割を担っています。子宮内膜は子宮の外だけでなく、子宮を構成する子宮筋層内に生じることもあり、これを子宮腺筋症と呼びます。 - 子宮ポリープ
- 粘膜にできるぽこっとしたこぶの様な腫瘍で、子宮内膜にできるものを子宮内膜ポリープ、子宮頚管にできるものを子宮頚管ポリープに分類されます。子宮内膜もしくは子宮頸管の細胞の増殖が過剰となり生じたもので、その殆どが良性で問題になることは多くありません。
デリケートゾーンの症状
- かゆみ
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デリケートゾーンでのお悩みで多いのが「かゆみ」です。
かぶれ、汗などが原因ということもありますが、感染が原因になっていることもあります。例えばカンジタ膣炎、感染性外陰炎、トリコモナス膣炎、コンジローマ、ヘルペス感染症などになると、かゆみやその他の症状が強くなります。 - おりものの異常
- おりものの色や量、匂いには個人差があるものですが、一般的には無臭で透明に近い乳白色です。
しかしおりものの色が濃くなったり、黄緑色に変化した場合、何かの感染や病気が原因のことがあります。量に関しては、排卵期に増加し、月経が近づくにつれて変化します。性行為による感染(クラミジア感染症、淋菌感染症)によっておりものの量が増えたり、黄色に変化することもあります。血液が混ざる場合は子宮の病気が隠れていることもあります。
性感染症(STD)
- 性器クラミジア感染症
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クラミジア感染症は、クラミジアという細菌により引き起こされる感染症の1つです。数ある性感染症の中では、日本でもっともよくみられる病気といわれます。そのほか、感染した母親から出生児に産道感染することもあります。女性は無症状である場合が多く、治療せずに放置してしまうと子宮外妊娠や不妊症につながるリスクがあります。なお性器だけでなく、咽頭や目、肺に感染することもあります。
検査方法おりもの検査
- マイコプラズマ感染症
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マイコプラズマとは細菌の一種です。その数は100種類以上あるといわれています。マイコプラズマ肺炎と性病のマイコプラズマは、原因となる細菌の種類が違います。性病の原因になるのは「マイコプラズマ・ジェニタリウム」「マイコプラズマ・ホミニス」という細菌です。こちらは性器周辺や喉に感染し、尿道炎や子宮頸管炎、咽頭炎を引き起こします。マイコプラズマ感染症は、治療しない限り自然治癒することはありません。
検査方法おりもの検査
- 淋菌感染症
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淋菌という細菌が引き起こす感染症のことです。男性に感染が多く、女性が感染しても無症状のことが多いといわれています。
治療せずに放置しておくと、不妊症や子宮外妊娠の原因にもなるなど、男女問わず適切な治療が不可欠な病気です。検査方法おりもの検査
- HIV/エイズ
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HIVというウィルスが人間の血液に入って起こる感染症です。HIVに感染してもすぐに免疫の力は弱くなりません。HIVに感染した後は、感染初期(急性期)→ 無症候期 → エイズ発症期の経過をたどります。
HIVに感染すると、通常6~8週間後くらいから血液中でHIVに対する抗体が検出されるようになりますので、感染の心配な出来事のあと2ヶ月経ってから検査を受けましょう。検査方法血液検査
- B型肝炎・C型肝炎
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B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)が含まれる血液や体液がからだの中に入り肝臓に感染し、C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)が含まれる血液がからだの中に入り肝臓に感染します。
症状が出なくて感染に気付かないこともあり、放置すると肝臓が炎症(肝炎)を起こし、肝炎が数年から数十年と長い間つづくと肝硬変や肝細胞がんへと進行することがあります。検査方法血液検査
- 梅毒
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梅毒トレポネーマという細菌によって感染します。自覚症状が無く、潜伏期間が長いため、知らないうちに多くの人に感染させてしまう可能性があります。妊娠中に梅毒に罹患していたり感染すると、胎盤を通して胎児に感染し“先天梅毒”を引き起こすことがあります。この病気は早めに治療すれば完治しますが、放っておくと心臓や神経にダメージが生じて命に関わる重篤な状態に陥ることもあります。
検査方法血液検査
- 性器カンジダ症
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カンジダ菌は真菌というカビの一種で、健康な人の膣内にいる常在菌で、この菌が膣に繁殖して起こる膣炎です。その症状はデリケートゾーンのかゆみや発疹、白っぽいおりもの、排尿時・性交時の痛み、さらには皮膚炎、口内炎などさまざまです。
検査方法おりもの検査
- トリコモナス症
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トリコモナス膣炎は、トリコモナス原虫という寄生虫によりおこる感染症です。
発症する感染症で、特徴として性行為以外でも感染する可能性があります。
感染率が高く、若年層だけでなく、中高年層で感染者が多いことも特徴です。
不妊の原因になったり、妊娠中の場合は流産の原因になったりします。検査方法おりもの検査
- 性器ヘルペスウイルス感染症
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性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによって、性器周辺に水ぶくれや赤いぽつぽつ、ただれなどの病変を生じる感染症です。すぐに必ず症状が出るとは限りませんが、性的接触から2日~10日後に外陰部や子宮頸部などにかゆみや違和感をともなった直径1~2ミリの水ぶくれや赤いぽつぽつが複数でき、痛み、発熱、リンパ節の腫れといった症状が出ます。性器ヘルペスは再発が多いことが特徴です。
検査方法視診または血液検査
- 尖圭コンジローマ
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尖圭コンジローマは、性行為によって外陰部にヒトパピローマウイルス6型、11型などが感染することが原因となって発症します。発症すると、外陰部を中心に鶏のトサカのような淡紅色~褐色のイボが形成されます。中には悪性化(がん化)するものもあるため、適切な治療と経過観察が必要です。
検査方法視診
婦人科検診
- 基本の検査 ベーシックコース
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- 子宮頸がん検査
- 超音波
- 妊娠前の検査 プレコンコース
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- 血液一般(肝臓機能、コレステロール、貧血、風疹、麻疹、サイトメガロ、トキソプラズマ)
- 腫瘍マーカー
- ホルモンバランス(女性ホルモン、甲状腺ホルモン、プロラクチン)
- 卵巣年齢(AMH抗ミュラー管ホルモン)
- 更年期時期の検査 ジャスミンコース
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- 子宮体癌
- 超音波(経腟エコー)
- 血液検査(FSH、肝機能、腎機能、血糖値、貧血血算、コレステロール、エストラジオール)
- 尿検査、血圧
- 性感染症の検査 マーガレットコース
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- おりもの検査(クラミジア、淋菌、PCR、トリコモナス等)
- 血液検査(HIV、HBV、HCV、梅毒)
下腹部違和感
- 膀胱炎・腎盂腎炎
- 女性の腹部には子宮、卵巣以外にも膀胱や腸、腎臓など大切な臓器があります。子宮や卵巣以外の原因で腹部に違和感や痛みが引き起こされることもありますが、内科や外科、婦人科とどの科を受診すべきなのかわからないものです。悩まずに、まずご相談ください。婦人科以外での治療が必要と判断した場合は他の専門機関をご紹介させていただきます。