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新型コロナウイルスワクチン接種と不妊治療について
一般の方などにも新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、「ワクチン接種をすると不妊症になると聞いたけれど、本当ですか?」や「ワクチン接種をする場合、不妊治療に影響がありますか?」などのお問い合わせが増えております。
厚生労働省や日本産婦人科学会などの見解から当院としての不妊治療に関する方針を下記にまとめておりますのでご覧ください。
また、基本方針等に関しては『新型コロナウイルスワクチン接種について』を合わせてご確認ください。
ご不明点等に関しましては、診察時またはスタッフまでお願いいたします。
≪妊活中または現在、治療中ですがいつワクチン接種したら良いですか?≫
➡いつでも接種可能です。
しかし、採卵や胚移植などの処置3日前から当日までは極力避けてください。(副反応対策のため)
胚移植後や妊娠判定前後、妊娠12週までの器官形成期にワクチン接種を控える必要はありません。
また、家庭内感染を予防するために、パートナーも接種することを推奨しています。
≪避妊は必要ですか?≫
➡避妊の必要はありせん。
≪ワクチン接種の影響で不妊になると聞きました。本当でしょうか?≫
➡まったくの嘘です。現時点ではそのような情報は一切ありません。新型コロナウイルスワクチンも含め、これまでに日本で使用されたワクチンも、不妊の原因になるという科学的な根拠は報告されていません。
接種後に妊娠した827人での流産、早産、胎児の発育不全、先天奇形、新生児死亡の発生率は、ワクチンを接種していない妊婦と変わらないと報告されています【1】。
また、米国CDCにおける副反応調査結果から妊娠20週以前にワクチンを接種しても流産のリスクは上がらないとしています【2】。
男性側の報告では、新型コロナウイルスに感染した男性43名のうち8名が無精子症、3名が乏精子症(精子濃度:200万/nl以下)と精液所見に異常が認められました。また、精液所見の異常は新型コロナウイルス感染の重症度と一致しているという報告があります【3】。
ワクチン接種後の精液検査に関する研究では接種前と比較してワクチン2回接種後でも特に精液所見には影響しないという報告もあります【4】。
現時点での報告から、精子や卵子・胚、妊娠・出産には影響ないと考えられます。
むしろ、新型コロナウイルスに感染したことが原因で造精機能障害などが生じると考えられます。
- 日本産科婦人科学会
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報
http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=10
『新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて(第 2 報)http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210814_COVID19.pdf
- 厚生労働省
『新型コロナワクチンQ&A』
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0027.html
- Tom T. Shimabukuro, M.D., Shin Y. Kim, M.P.H., Tanya R. Myers, Ph.D., Pedro L. Moro, M.D., et al., for the CDC v-safe COVID-19 Pregnancy Registry Team
- Interim Clinical Considerations for Use of mRNA COVID-19 Vaccines Currently Authorized in the United States
- Gacci M, Coppi M, Baldi E, et al. Reply: COVID-19: semen impairment may not be related to the virus. Hum Reprod. 2021;36(7):2065-2066. doi:10.1093/humrep/deab083
- Gonzalez DC, Nassau DE, Khodamoradi K, et al. Sperm Parameters Before and After COVID-19 mRNA Vaccination. JAMA. 2021;326(3):273-274. doi:10.1001/jama.2021.9976