静岡県の保育園の園児が通園バスに取り残されて亡くなったという事故が起きました。
近くには飲み干されていた空の水筒が見つかったという。
暑かったろう。苦しかったろう。心細かったろう。
同様の事件は昨年の7月にも起きていて心を痛めたばかりだった。
それを機として全国の保育園・幼稚園は再発が起きないように徹底した対策を練ったはず。
バス乗降の際の人数確認、登園後のバス車内の指さし確認、登園児確認と休園児の保護者への連絡確認、等々。
どれもこれも小さな子供を預かるものとして当たり前の確認事項ではなかったか。
わが身を振り返り、通院中・入院中の妊産婦、胎児・新生児を預かるものとして基本的な確認ができているか自らに問いたい。
外来のバックグラウンドに張ってある標語・3つのき~「基本に忠実に、きちんと、決まりを守る」
を胸に刻んで働いている職員はどれだけいるだろうか、とふと気になり、何度でも職員に伝え続けようと思いました。
もう一つ、これは先輩のお母さんからの子育てにかかわる話のときに聞いたことですが、
「子供が大きくなると今まで手をつないでいたのが、手をつなぐのを嫌がるようになり、目が離せないんですよ。」、と。
まさに「手は離しても、目は離すな」です。
私が信頼する助産師の条件の1つに「観察力」があります。
妊産婦や新生児は安定しているときにも急変することがあります。
ましてや、分娩進行中はなおさらです。
これをしっかり観察してその変化に十分注視してみることによって先手先手で正常から逸脱することを防ぐこともできます。
産科医になって半世紀近くになりますが、そのような助産師にずいぶん助けられもしました。
今後も一層努力して「安心・安全・居心地の良さ」を提供しなくてはなりません。