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先日いつものようにパソコンで書き物をしながらテレビを何気なく見ていたら(正確には聞いていたら、になりますが)、プロ野球の千葉ロッテマリーンズの美馬投手のお話でした。
途中からは書き物を止め、見入ってしまうほどの心打たれる話でしたのでご紹介します。
テレビによると、美馬選手はドラフト2位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入り、その後順調に活躍し、楽天の日本シリーズ制覇のときにも貢献、MVPとなったそうです。
この辺りまではパソコンをやりながらで確かではありませんが、お子さんの話になってからは手を止めテレビに向き合っていました。
美馬選手のお子さんは右手首から先がない「先天性四肢欠損症」という病気で生まれたそうです。
それまでは超ポジティブな性格の奥様が美馬選手の活躍を支えてきたようですが、赤ちゃんをお生みになった後で、その事実を突きつけられた時にはさすがに落ち込まれました。
何より、生まれたことを心から喜んであげられなかったことを大きく悔やまれたそうです。当然と言えば当然の反応かもしれません。
でもそこで、今まで奥様に支えられ続けていた美馬選手が今度はしっかりと奥様を支えたそうです。
まず、茫然自失となっている奥様の病室に泊まり込みで世話をし、励まし続けたのです。
そして、奥様の気持ちを変える言葉を発したのでした。
「僕と君の子供を産んでくれてありがとう。この子は病気をもって生まれてきた子供かもしれないが、僕たちにとってとても大切な子なんだ。
もしおなかの中にいた時にそれがわかったとしても、僕はこの子をあきらめるようなことはしなかったと思うよ。」
その言葉に勇気づけられ、そして「天使ちゃん」が成長する過程で美馬選手が子供に接する姿を見るにつけポジティブさを取り戻したそうです。
書いてしまえばこれだけのことなのですが、実際には大変な心の葛藤やたくさんの涙、大きな迷い、世間体など様々なドラマがあったことだろうと思います。
産科医を半世紀近くやっていれば、結果が思い通りでないお産が少なくないことは経験してきました。
助けてあげられない命もありました。いろいろ悩んだ末にあきらめる選択をされる場合もあります。
しかし、生まれ出てきた赤ちゃんはどんな障害を持ってきたとしてもそしてどんなにみじかい生命であったとしてもパパやママにたくさんの愛情を降り注がれ必死に生きていきます。
皆さんそうです。
そしてそれを全力で支える助産師さんたちを私は尊敬します。
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投稿者/ Contributor
- 浦野晴美・理爺長
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育良クリニック創設者。
どうでもいいことを「理爺長のつぶやき」でつぶやいたり産科医としてのコメントをのせます。 - 院長
- とらママ
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育良クリニックマネージャー。
2011年1月、第一子「とらさん」
2012年6月、第二子「りゅうちゃん」
2014年2月、第三子「うまくん」
2016年4月、第四子「おさる」
2020年10月、第五子・初女子「じら」
(すべて愛称)
を当院で出産。
妊娠・出産・育児の奮闘記を綴ること多し。 - 医療スタッフ
-
医療スタッフ
開院当初からの超ベテラン。
医療的な質問に回答したり、日々のできごとを綴ります。 - 育良事務局
- コンシェルジュスタッフがイベントやお知らせを随時配信します。